
伝説の投資家が愛したチャートパターン、カップウィズハンドル
あなたはウィリアム・J・オニールという伝説の投資家をご存じだろうか?
株式投資業界で40年にわたり成功を収め続けた米国屈指の投資家であり、彼の執筆した本は全米で100万部を超えるベストセラーとなった。
彼は、ファンダメンタルからその銘柄の成長性を把握したほか、テクニカル分析でエントリーポイントを探って投資判断としていた。
そんなオニールの本の中で「カップウィズハンドル」と呼ばれるチャートパターンが紹介されている。
カップウィズハンドルと呼ばれるチャートパターンはスイングトレードと非常に相性がよく、使いこなすことによって、きっと大きな利益を手にできることだろう。
あなたが、スイングトレードでの利益を狙う株式投資家であれば、是非学んでおくべきチャートパターンといえる。
カップウィズハンドルとは?
カップウィズハンドルとはコーヒーカップのような形のチャートのことを言い、中期的なボトムを判別するチャートパターンのことを言う。
信頼度も高く、このチャートパターンを描いた、その後は株価が上昇へと向かうことが多いと言われている。
実際にチャートを見てみよう
見てわかるとおりなんとなくコーヒーカップの形に見えることがわかるだろう。
・下落トレンドの終盤になると、底を打った株価が徐々に上昇に転じてきて一度出来高を伴った上昇を見せる。(・・・①の箇所)
・そのまま上昇するかと思わせるが、一度跳ね返される(・・・②の箇所)
・跳ね返された後、コーヒーカップの取っ手の位置にあたる、下落し続けるわけではない、少しのもみ合いの期間を経て(・・・③の箇所)、再度②の高値を突破していく(緑の丸で囲った箇所)
というチャートがカップウィズハンドルの典型的なチャートパターンとなる。
緑色の丸で囲った位置が理想的エントリーポイントである。
理想的出来高の推移
カップウィズハンドルのチャートパターンを見つけた際は是非、買いでのエントリーを狙いたいが、出来高にも注意することで、より精度をあげられるだろう。
理想的出来高の推移は、①の箇所で徐々に出来高を増やしていき、②で出来高も一度天井を打つ、その後、③の部分では出来高減少というのが理想的な推移だ。
そして、最後の緑の丸で囲った箇所、つまり高値を突破するときに大きな出来高を伴ったらかなり理想的な出来高推移、買いエントリーを検討したいカップウィズハンドルの典型パターンといえる。
応用もアリ!
カップウィズハンドルは、下落相場の終盤、安値圏で現れるチャートパターンとして紹介されているケースが多いが、応用するのも良いだろう。
例えば、あなたがたくさんのチャートを見て学習していくと、きっと新高値を取りに行くケースでのカップウィズハンドルのチャートパターンの多さに気付くはずだ。
一気に上昇すると見せかけて一旦天井をうち、高値掴みをしてしまった投資家の狼狽売りや、前から保有していた投資家の利益確定売りをこなし(ふるい落し)、取っ手の箇所を形成する、そして、その後出来高を伴って高値を突破して株価が上昇していくケースは本当に多い。
また、カップウィズハンドルを逆さまにして空売り時のエントリーポイントに使うといった応用もアリかもしれない。
たくさんのチャートを見て学ぼう。
スイングトレードでの利益を狙う限り、「数多くのチャートを見る」という勉強は避けて通れない。
そして、チャート1000本ノックのような勉強をしていくと、カップウィズハンドルの他にも、いろいろ似たようなチャートパターンを見つけられることだろう。
チャートを見ての勉強は資金をリスクにさらすことなくできる効率の良い勉強だ。
是非、数多くのチャートを見て、チャートを読むスキルを上げる努力をおすすめしたい。
そうした努力はきっと相場状況把握スキルの向上に役立ち、またきっと無駄な取引の減少につながることだろう。