
近年、大手対面証券会社において外国株式の営業が盛んです。
対面証券会社に口座を開設している個人投資家の多くが一度は証券マンから外国株式の営業を受けたことがあるのではないでしょうか?
フェイスブックやツイッター、アリババの上場、アップルやアマゾン株など確かに海外に上場している企業には魅力的な銘柄が多いのも事実でしょう。
また、世界一の投資家といわれるウォーレン・バフェットも米国株でその資産を作り上げたといっても過言ではありません。
国内株で利益が取れない、損した個人投資家が、外国株式に目を向けるのはある意味で当然の流れといえるのかもしれませんが、証券会社の営業マンが外国株を勧める理由はそれだけではありません。
実は外国株式は手数料が稼ぎやすいのです。
これまで証券マンが手数料を稼ぐのは投資信託の回転売買が王道でした。
投資信託は買い付け時に大体3パーセントの手数料が取られるので、例えば1000万円投資信託を買い付けてもらうことができれば30万円が手数料収入となります。
ただ、手数料ばかりかかって儲からなくなってしまうので、あまりに頻繁な投資信託の回転売買は規制がかかることになりました。
これによって手数料を稼ぐために投資信託の回転売買以外の手段が取られることになりました。
それが外国株式です。
大手対面証券会社で外国株式を買い付けようとすると顧客は委託取引と仕切り取引(店頭取引ともいう)の選択を迫られます。
委託取引は証券会社が顧客の注文を外国株式市場に取り次ぐ、いわば仲介を行うだけであり手数料はそこまで上がりませんが、一方の仕切り取引では、証券会社が自身で買い付けた外国株式を顧客と相対で取引するという取引形態です。
証券会社が顧客に対して株価を提示する形ですが、その提示する株価は証券会社が取得した株価に手数料を上乗せして決められるものなのです。
そして、仕切り取引で提示される株価は、大体のケースで外国株の終値に2~3パーセント近い手数料が上乗せされているのが通常です。
投資信託に比べて、あまり規制の厳しくない外国株式で、投資信託と同じだけの手数料となっているのです。
仕切り取引では売りのときにも同様に終値から1パーセントぐらいディスカウントした価格で証券会社が買い取ります。
外国株式で回転売買ができれば売り買いの往復手数料がかかるため、一度の取引で4パーセント程度の手数料を稼ぎ出すことが可能となっていることになります。
外国株式をすすめてくる理由がなんとなく分かる気がしますね。
もちろん、仕切り取引のメリットが全くないかといえばそんなことはありません。
前日の終値から計算され、株価が確定しているため取引がしやすく、時にはアフターマーケットで上昇しているにもかかわらず安く株式を取得できるチャンスもあります。
ただ、売り買いだけで4パーセントも手数料が取られることは考える必要があります。
長期投資であればいいでしょうが、短期で売買を繰り返すとどうしても手数料ばかりかかってしまいます。
証券会社のカモにならないために、外国株式の取引をする際にはしっかりと取引手法の知識をつける必要性があると考えましょう。