
個人投資家のメリット
株式市場には1億円単位で毎日相場と向き合って取引をしているプロもいれば、やっと貯めた数十万円を軍資金にして取引に挑もうとする初心者の個人投資家もいます。
プロの投資家は、たくさんの情報源を持っています。
海外のニュースも秒単位で入ってきますし、使用している設備も最新鋭のものでしょう。
では、個人投資家はプロに比べれば圧倒的に不利なのでしょうか。
確かに、不利な面は多いと思いますが、それでも、個人投資家こそのメリットもたくさんあるものです。
ここではプロにはない、個人投資家にこそあるメリットを学習していきましょう。
個人投資家のメリットを活かして取引すれば、プロでなくても勝つことは可能になります。
≪メリット1:自由に決められる≫
プロの投資家には様々な制約や目標があります。
例えば、日経平均株価よりもよい成績を残すべきという使命で取引している人もいるでしょうし、利益目標や、その目標達成までの期限も設けられていることでしょう。
ただ、こうした利益目標があると、取引したくない時にも取引をしなければいけなくなります。
というのも、目標未達の段階であれば、取引をしないことには目標達成できないわけですから。
目標の達成のために、取引をしなければいけないことは非常にストレスがかかりますし、「勝たなければいけない」と考えて取引すると負けやすいものなのです。
一方個人投資家はどうでしょうか。
取引したい時だけ取引をすればよいのです。
「勝てる喧嘩だけしかしない」
ずるい考え方ですが、個人投資家はこの考え方で取り組めばよいのです。
「ちょっと負けそう」
「やりずらい相場状況だな」
そう考えたならやめておけばいいだけです。
・銘柄の選択
・取引量
・売るか買うか
・そもそも取引するかどうか
どれも自由に決められるのですから、無理に自分にストレスをかけることなく、冷静に取引でき、また勝てると自信がある時だけ取引していきましょう。
≪メリット2:個人投資家向きの銘柄も≫
プロは一度に数千万円から、時には数億円以上の金額で取引をすることになります。
そうなると、当然取引できる銘柄が限られてきてしまいますし、そもそも最初から投資できる銘柄に制限が設けられているプロトレーダーも多いようです。
一方の個人投資家は銘柄を自由に選択することができます。
中型株、小型株や、取引量が少ない銘柄でも自由に選択すればよいわけです。
あなたにとって相性が良い銘柄も見つかるかもしれませんし、それを見つけることも楽しいものです。
≪メリット3:稼がなくてもよい≫
メリット1のところでも紹介しましたが、個人投資家は必ずしも投資で稼がなければいけないわけではないはずです。
余裕資金でさらに余裕を生み出すためにやっているわけで、
「しばらく取引したくないな」
と考えたら思い切って休めばよいわけです。
投資だけで生活している専業投資家であれば、稼がなければ生活できなくなってしまいます。
多くの個人投資家は投資で稼がなくても生活できるでしょうから、
・やる気が起きない時
・どうも稼げる気がしない時
・連敗した時
等はどんどん休みましょう。
以上のように、プロにはないけど個人投資家にはあるメリットは結構あるものです。
個人投資家であれば、自分にプレッシャーをかけることなく、ストレスのない範囲で取り組めばよいのです。
特に
・勝てると自信がある時だけ取引する
という考え方についてはここでしっかりと覚えておきましょう。
逆に言うと、個人投資家は証券口座に現金として置いてある状態を基本の状態と考えるべきです。
株の短期投資に取り組むと、いつの間にか株を保有している状態が普通になってしまう個人投資家も多いです。
ある株を売却したら次に他の株を買って・・・を繰り返してしまう人や、あるいは株を保有している最中に次に買う銘柄を探し、探した銘柄を買うために保有していた株を売却してまた次の銘柄を探すという行動を繰り返してしまう人もいます。
こんな状況を俗にポジポジ病ともいうのですが、ポジポジ病は負けにつながりやすいスタイルと考える必要があります。
基本は現金ポジションで自身のある時だけお金を出動させ、そして、保有中はその取引に集中するようにしましょう。
自動化を駆使する
売買ルールを守ることが難しいということは言い続けてきましたが、少しでも売買ルール通りの取引をするための方法を紹介していきます。
それが、
・自動化を駆使する
という方法です。
株の短期投資は楽しいもので、また、「儲けたい、損したくない」と考えるのはごくごく自然なことです。
だからこそ、相場を見ていたら株を買いたくなります。
それが自然なことなのです。
保有している株が上昇すれば利益のうちに利益確定をしてしまいたくなるものであり、また、下がっても損切りはしたくないものです。
そんな、いわば「自然の摂理」に逆らい、ルール通りに取引してこそ利益を得られるのですが、それを感情によってコントロールすることはとても大変です。
そこで自動化を駆使する方法が登場します。
ここで言う自動化とは、取引時間外に注文を発注してしまい、取引時間中に発注しておいた注文が自動執行される状態のことを言います。
あなたにやりずらい注文はできる限り自動化を駆使することによって、実現できるようになっていくのです。
以下に例を紹介します。
≪株を買う際の時の指値注文≫
例えばある株を株価100円で買う予定だったとします。
この株が101円になったり102円になったり、また103円になったりしていたとします。
そうなるとどう考えるでしょうか。
もともと買いたいと考えていた株であり、それも上方向に向かいそうな気がしていると多少高くても買いたいと考えてしまい結局102円といった、投書よりも高い株価で買ってしまう恐れがあります。
では、指値100円で発注しておいたらどうでしょうか。
買えない可能性もありますが、100円より高い株価で買うことないため、当初の予定通りの取引が実現できます。
≪損切りの際の逆指値成行売り注文≫
損切りはやりずらいものですが、損切りさえできれば、大きな損失になる可能性は少なくなりますので、是非自動化することをおすすめします。
そんな損切りの自動化は逆指値成行売り注文が基本になります。
この注文方法は
・株価が〇〇円以下になったら成行売り
という注文方法です。
株を買った瞬間にこの逆指値成行売り注文を無期限で発注しておけば、損切りの自動化作業はほぼ完了となります。
やりにくいけど、適切にできれば勝ちが近づく損切りですから、是非、自動化させていきましょう。
≪利益確定、損切りが自動化できるトレイリングストップ注文≫
一つの注文で利益確定と損切りを両方自動化してしまう方法もあります。
それが、トレイリングストップ注文です。
この注文方法は
・株価が高値から〇〇円下落したら売り
という注文方法です。
株価の上昇に合わせて損切りする株価も上昇させていくことができますし、一つの注文で利益確定と損切りの両方を自動化できることがメリットとして考えられます。
以上のように、色々な注文方法を利用することによって、取引を自動化していくことができます。
また、紹介した注文方法以外にも、ネット証券には様々な注文が用意されているものです。
株式投資は依存症の人が出るぐらい楽しいものですが、儲けるために様々な注文方法を活用して、極力自動化できるように努めるようにしましょう。
感情に左右される取引を極力避けるために効果的なアプローチは、感情をコントロールしようと努力することよりも、感情が必要とならない状況を作ることと考えるべきなのです。