
今回は株式投資、その中でも、短期投資についての知識を深めていただきます。
一口に株式投資と言っても、その投資方法によって、必要な勉強は大きく異なります。
数週間以内に「買い」と「売り」を完結させる短期投資においてはテクニカル分析を用いての投資判断が前提となりますし、一方で半年以上、ときには数年や数十年にわたって株式を保有し続ける長期投資においてはファンダメンタル分析を用いての投資判断が前提となります。
短期投資であっても、また長期投資であっても利益を得ることは、それも莫大な利益を得ることは不可能ではないでしょう。
ただ、テクニカル分析やファンダメンタル分析といった、投資スタイルに適した投資判断の手法がある事を無視してはいけません。
まずは短期投資の概要を理解していきましょう。
短期投資で稼ぐ
さて、短期投資というと、あなたはどういったイメージをお持ちでしょうか?
モニターを何画面も表示させて秒単位の取引を繰り返す取引を想像するでしょうか?
もちろん、秒単位での瞬時の判断を駆使するデイトレード(一日のうちに株の買いから売りを完結させて、翌日まで株式を持ち越さない投資スタイル)も短期投資の一つではあるでしょう。
ただ、短期投資はデイトレードだけではありません。
数日から数週間という期間で株を買って売る投資スタイルも短期投資と考えられます。
では、そんな株の短期投資で稼ぐことは可能でしょうか?
結論から言うと、可能です。
実際に、短期投資を繰り返すことによって会社員が一生かかって稼ぐぐらいの莫大な資産を稼ぎ出してしまった強者もいますし、そうでなくても短期投資を繰り返すことによって地道にコツコツ稼いでいる人は結構いるものなのです。
ここでは、短期投資で稼いでいるあなた自身を少しイメージしながら読み進めてみてください。
まず、長期投資と短期投資を比べてみましょう。
長期投資は、割安な水準で買い付けて、その後はほったらかしにする、ということもあります。
長期投資という名前の通り、長期という「期間」を味方にして稼ぐ考え方ですからね。
一方、短期投資は、ほったらかしにはなりません。
長期投資が「期間」で利益を狙うのに対して、短期投資は「タイミング」で利益を狙うことになります。
どの株を買うか、よりも、その株をいつ買い、いつ売るか、これが大事になるわけです。
また、短期投資では取引回数が非常に多くなります。
一回の取引に数日から数週間かけるスイングトレードであっても月に数回以上取引することもざらにありますし、デイトレーダーであれば一日に何十回も取引することすらあるわけです。
取引回数が多いことは大変そうですが、実はメリットもあります。
それが、複利の効果です。
長期投資では、一度買い付けたらしばらくそのまま置いておくことが基本となりますが、一方の短期投資は、利益を得ることによって投資金額を増やせれば、その次の取引ではより大きな利益を狙うことが可能になります。
これを繰り返すとどうでしょうか?
一回一回の取引ではたった数パーセントの利益であっても投資金額を増やしながら取引を繰り返すことによって、想像できないような資産を築くことすら可能になるわけです。
会社員が一生で稼ぐぐらいの金額をたった数年で築き上げてしまう人がいるのもうなずけるはずです。
株式投資と一口に言っても短期投資と長期投資では異なるアプローチで取り組む必要があることがなんとなく分かっていただけたと思います。
どちらが優れているということはありませんが、年齢が若いうちは資産形成期の段階と考えて短期投資に重点をおいて資産配分を考えてもよいでしょうし、年齢を重ねた後は、短期投資で運用する資金は資産全体の一部にするといったイメージで取り組むとよいでしょう。
短期投資に取り組む前に(リスク)
短期投資にはリスクがあります。
書店やインターネットに並ぶ短期投資に関する情報は、どうしてもメリットばかりが多く語られ、さらに言うと、少々誇張された文言が並んでいるという現状があります。
短期投資にはメリットが多く、短期間で莫大な資産を築いた人がいるのも事実ではありますが、そうした面ばかりに目を向けて短期投資をスタートさせると、例外なく失敗するものです。
少々、話が脱線しますが、基本的にリスクとリターンは表裏一体のものです。
一目見て、
「これは利益をたくさん得られそうだ」
そう思えるものはまず例外なく同等のリスクが潜んでいると考えるようにしましょう。
逆に言えば、これは少ししか儲からないだろうというものは、それぐらいにリスクは小さめということも考えられます。
では、短期投資のリスクを簡単に解説しておきましょう。
≪株式投資の三大リスク≫
これは、短期投資に限った話ではなくて株式投資全般の話です。
株式投資に取り組むに当たっては「値下がりリスク」「倒産リスク」「流動性リスク」の三つのリスクを考えておく必要があります。
「値下がりリスク」は、株価が値下がりするリスクで、損失を出す可能性があるということです。
儲かる可能性があれば、当然損失を出す可能性があるわけですね。
「倒産リスク」は、投資している企業が倒産してしまうリスクのことを言います。
倒産はそんなにある話ではありませんが、それでも前例は多数あります。
巻き込まれてしまった場合には大変大きなダメージを受ける可能性がある、避けたいリスクです。
「倒産リスク」にできる限り巻き込まれないための方法については、今後紹介してまいりますので少々お待ちください。
「流動性リスク」は、株式が買いたい時に買えなくなったり、売りたい時に売れなくなったりすることを言います。
株は売る人がいるから買うことができ、また、買う人がいるから売ることができるものです。
投資している銘柄に不祥事が起きた時には、売りたい人ばかり増えて買いたい人が極端に少なくなることがあります。
不祥事を予想することはなかなか難しいですが、短期投資に取り組む場合には普段から売買が活発に行われている銘柄を選ぶなどの工夫はした方がよいでしょう。
以上の三つのリスク「値下がりリスク」「倒産リスク」「流動性リスク」は短期投資に限った話ではなく、株式投資全般に言えるリスクです。
これらのリスクについてはあらかじめ踏まえた上で取り組むようにしましょう。
≪短期間で大きく損失を出すこともある≫
株式投資全般のリスクの後は、短期投資だからこそ、考えておくべきリスクについて解説しておきます。
まずは、短期間で大きく損失を出すリスクについてです。
短期投資は複利の効果を利用して大きく資産を築ける可能性がある一方で、減る方に転がりだしたら、とんでもないスピードで資産を減らしていってしまう可能性があります。
損失を出すことで、投資元本が減り、また損失を出したらまた投資元本が減り…という流れになる可能性があるわけです。
≪一つの取引で短期間に大きく損する可能性も≫
短期投資では、短期間に生じる価格の変動差で儲けることを狙います。
買値より売値の方が高ければ利益になるわけです。
ただ、短期間に利益を得ようとすると、どうしても少し値動きが激しい銘柄を扱うことが多くなります。
勿論、そうした値動きが激しい銘柄が上昇してくれればいいのですが、いつも上昇するとは限りません。
当然、値下がりすることがあるわけです。
そうなるとどうでしょうか?
たった一つの取引で想定以上の損失になってしまう可能性が出てくるわけです。
短期投資では、ある程度値動きがある銘柄での取引が基本となりますが、同時に損切りが大事になります。
一つの取引で大きく損することを避けるために、小さな損失のうちに損切りをして現金化してしまうわけですね。
いかがでしょうか?
どんな投資でもリスクはつきものですが、短期投資では以上のようなリスクに注意が必要になります。
取引を開始する前にリスクを把握して、そのリスクを回避、コントロールする策を講じてから取り組むように心がけましょう。
勿論、本サイトでも今後これらのリスクの回避、コントロール方法について解説してまいります。